ネットトレードで必要な気配値(板)ですが、トレードステーションではマトリックスと言います。
トレステの気配値は表示される情報が多くてとても便利ですが、使っていると初めて見る分からない情報も出てきました。
その中でもどうしても知っておきたいと思ったのが、表示される記号です。
「知らなかったし」で済まされないのは、今まで数知れず転んで致命傷まで負ったことが証明してます。
知らないことは既に負けていること。
負けなければ生き残れるので、しっかり覚えていきたいと思います。
マトリックスに表示される記号を見てみる
市場が開いている日はほぼ毎日、ザラ場中はトレードステーションを開いて見ています。
その中で表示を見つけて気づいたものは全てを掲載していくつもりですが、売買している銘柄はおのずと限られるので、マトリックスに表示される記号の全てを網羅しているとは限らないのであしからず。
買い板や売り板に”特”の表示
これは”特別気配”の記号です。
売買している人は知っていると思いますが、すごく簡単に説明します。
といっても説明が下手なので例を出して考えてみます。
充電池の技術を開発している小さな会社があったとします。
この会社、13:30にニュースを出すとします。
「今までの電池より10倍持ちがよくなる技術を開発、googleと提携した。」
これは超ビッグサプライズなので、ニュースを聞いた人はいっせいに飛びつきます。
成行き買いの量が一気に膨らみます。それはもうあっという間にストップ高になるくらいです。
ところが、買い板の数字はすごい量になりますが、板はすぐには動きません。
買い板の数字は膨らみますが、値は動かないのです。
その代わり買い板のところに「特」の記号が付きます。これが”特別買い気配”です。
こうなったときは一定の時間が過ぎるとガクッと値が上がり、また時間が経ってガクッと値が上がります。階段のように一定時間ごとに値が上がり、何回か繰り返して値幅制限いっぱいになっても買い注文が残るとストップ高となります。
画像はストップ高まで買われた時の”特別買い気配”の表示。
横にラインが引かれた上の部分は価格の背景がグレー表示されていていますが、値幅制限を表しています。
なぜこんなしくみがあるかというと、板が食われてどんどん値が動くと「早く買わないと!」と投資家がパニック状態になり冷静な判断ができず市場に混乱を招きがちです。飛びつき買いの人が多数出るわけです。
なので一定の時間をもうけて、「落ち着けー、ほんとに買っていいのかー?」と投資家に問いかけるわけです。
逆に悪いニュースが流れたりアメリカ市場が暴落した朝は、売り板に”特”が表示される”特別売り気配”となります。
”特別買い気配”と”特別売り気配”はいつもと異なり、買いと売りのバランスが極端に崩れている状態を表しています。
価格に”eo”の表示
こんな感じで表示されます。
これいつも出るのだけど、何のことか分からなかったんですよね。
調べて分かったときにはなるほどーと思いました。
eoとは、”Estimation Open”(エスティメーション-オープン)の略です。
直訳すると”推定始値”。ずいぶん固い言葉ですよね。
”始値”という名前から分かりますが、マーケットが始まる前に表示されることが多く、文字通りマーケットが始まったらeoが指し示した価格で始まるよ、ということになります。
”eo”の意味を理解するには、他の証券会社のトレードソフトと比べれば分かりやすいです。
朝の市場が始まる前の板の様子を比べてみましょう。
こちらはSBI証券の板。
成行注文と指値注文を全て含めて計算した上で、板が表示されています。
273円と274円で寄っています。
こちらは同じマネックス証券の新マネックストレーダーの板。
売り買い10本づつ表示されていているので先ほどのsbi証券とは形は違いますが、同じように計算された上で表示されていますね。
こちらも273円と274円で寄っています。
私が見てきた限りだと、トレードソフトはこのようにシンプルに表示されるものが多かったです。
ではトレードステーションはどうかというと。
色使いが派手なのもありとても見にくい。色については変更できるので良しとしますが。
271円のところを見ると、3300株約定していますが、これは前日の終値の表示なのです。
そして273円のところに”eo”の記号が!
もうお分かりですね。
eo(推定始値)とは、今の注文で寄り付いたらこの価格で始まりますという表示なのです。
市場が始まる前に注文状況は刻々と変化しますので、eoの表示もそれに合わせて上下に動きます。
これ”eo”でなくて”寄”とかにしてくれると戸惑わないと思うのですが。。。
他の証券会社は売り買いの注文をまとめてシンプルに表示しますが、トレステは注文の全てを表示するので(上の画像でいくと275円の買500株、268円の売7000株など)、見慣れないととてもややこしく感じてしまうかもしれません。
でも慣れると思います。色を変えればですが(笑)
ごちゃごちゃして判断に困る人、情報はなるべく加工していない素の状態で欲しい人など、人それぞれだと思いますけどね。
価格に”ec”の表示
”ec”とは、”Estimation Close”(エスティメーション-クローズ)です。
直訳で”推定終値”。
お察しとの通りで”ec”は、市場が閉じたら今の注文状況だとこの価格で終わるよ、と示してくれます。
現在値は198円ですが”ec”、つまり終値の予想は202円になっています。
おかしいですよね?
なんでこういうことになるんでしょうか。
実はecを理解するには、”引け買気配”と”引け売り気配”の項目列を表示するとよいです。
初期状態では表示されていないので、項目列表示の設定から表示します。
表示方法はこちらの記事からどうぞ。
そしてこちらの画像が表示した状態のものです。
引けの成行注文が、買い:29000株、売り:1000株と入っているのが分かります。
つまりこのまま引けたとき、差引きすると28000株の買いが最後に入ることになるわけです。
それを含めて計算すると現在値は198円だけど、このまま引けると202円になりますよ、と教えてくれているのです。
この例では成行注文しか見えていませんが、引けの”指値”注文がある場合も計算してくれるわけです。
引けの注文は時間とともに変化することがあるので、ecは”今現在で推定される終値”という意味になるわけです。
価格に”v”の表示
”v”の記号が付いている価格は、VWAPです。
デイトレをする方はお馴染みの指標かと思いますが、知らないと損することもあるのでちょっと説明してみます。
VWAP(ブイワップ)とは、Volume Weighted Average Priceの頭文字を並べたものになります。
日本語だと”売買高加重平均価格”のことらしいです。
漢字が長すぎて余計に難しい感じになっちゃいますね。(@@;)
なんでこんな難しいことを考えなきゃいけないの?
普通に平均するだけじゃダメなの?
と思うところですが、より信頼性のある平均値を出したいということなんです。
VWAPは当日に売買された注文を、価格ごとの売買高(出来高)を考慮して平均したもののことです。
ただの平均値ではなくて出来高を取り入れることで”加重平均”という、より現実的に使える平均株価を表した計算方法なのです。
デイトレをするときにチャートにVWAP線を表示して、VWAPの上に株価があると強気、下だと弱気だな、なんて判断したりします。
VWAP線が抵抗or支持線になりますし、大手がVWAPを利用して売買しているという噂もありVWAPは注目される指標になっています。
マトリックスに表示される記号については、また気づいた時点で追記していきます。