株の練習方法(スイング売買)~実践編~

株の研究

記事が長くなったので3回に分けています。

最初はなんとなく株価の動きが分かってきて、自分に合うテクニカル分析も見えてくることかと思います。

そうしたら次は、売買を含めた練習をしていきます。

実践的な売買練習をする

練習に慣れてきたら、売買の練習を具体的にしていきます。

明日は買うのか?買う場合の条件は?どうなったら売買を待つ?決済する条件は?

といった風に具体的な予測をしてから次のローソク足を表示するようにします。

ここで1つ注意点です。
実際のローソク足は、9時に動き出し大引けでローソク足の形が決定します。
しかし練習ではローソク足は表示した時点で終値までの形が出るので、実際の売買とは感覚が違うんだ、ということを頭に入れておいたほうがよいと思います。

では売買練習をしてみましょう。

実践練習 手順1 チャートを表示する

日経平均のチャートを表示し、適当に過去に戻します。
ゆっくり戻すと先が見えてネタバレになるので、サッと戻します。

戻したところはこんなチャート。
使用しているテクニカル指標を説明しますと、

  • 移動平均線:5日(オレンジ)、20日(青)、75日(ピンク)
  • ボリンジャーバンド:30日で1σ,2σ、3σ、30日移動平均の計7本。
  • RSI:14日

先に言いましたが、私が注目するのは株価の位置、続いて移動平均線で、ボリンジャーバンドとRSIは参考程度にしか使いません。
移動平均線と書くと長いので”MA”、ボリンジャーバンドを”BB”と省略します。

【適当に過去に戻したチャート】

実践練習 手順2 現状を把握する

一番右の足の状況を分析していきます。

  • 長期MAは下げトレンド
  • 中期MAは下げから横ばいに変化
  • 短期MAは中期MAを超えた後、下げてきて寄り添う形
  • BBは幅が狭くなってきて株価が動かない状態
  • ローソク足は4日前の下値で下げ止まった位置

こんな風に、一通り現状分析をします。
株価の動きを予測するには現状を正確に捉えられるかがとても大事で、ここが正確でないとあとのことをいくら頑張っても結果がついてきません。

実践練習 手順3 トレンドを見る

現状を一通り並べたところで、トレンドを見ます。

今は下げなのか上げているのか、それともレンジ相場なのか。

ローソク足で見ると、チャート左から派手に陰線を付け13,200円で下落が止まり、上値は14,000円を超えられないことが分かります。

したがって今は”レンジ相場”です。

移動平均線で見ると、長期MAは下げトレンド、中期MAは下げが止まったものの、横ばいで反発はない状況です。

BBの中央線(30日MA)に上から押されるように上値が下がってきています。

まとめると、

  • 長期トレンドは下落
  • 中期は下げすぎで横ばい
  • 短期は下落

といったとこでしょうか。

決定的なのは、中期MAを超えて長期MAを目指すかと思いきや、グッと抑えられてしまった流れです。

つまり上げそうな要素がないです。元気がない感じですね。

実践練習 手順4 今日の株価を見る

元気がない中、本日の株価は、、、
なんとか中期MAの上で踏ん張り”陽線”で引けました。

ただ短期MAの下という板挟みな状態。

【先のチャートを拡大表示】

さて、明日はどうなるのでしょうか。

買う?売る?それともキャッシュポジション?

本番ではもう一日待って様子見することが大事になる場面がありますが、ここは練習なので売買する仮定で話を進めてみます。もう一日待ってはナシということで。

実践練習 手順5 売買の条件を具体的に考えメモする

みなさん、それぞれ考えてください。

買うタイミングは今日の大引けか、明日のザラ場中という条件にします。
大引けに近い14:50にもなるとローソク足の形がほぼ出来ていますので、練習で見るチャートと大差ないですからね。

「明日は買う」とか曖昧な感じじゃダメですよ。

ポイントは条件を数字で表すことです。

例えば、

「明日の寄付きに短期MAの上で始まったら始値で買う」とかです。

「安く始まったとして、短期MAを超えたところで買う」とかでもよいです。

「その後に大引けで再び短期MAを割っていたらドテン(買いを手仕舞って空売り)する」

などです。

貸借銘柄として練習していますので、空売りも考えましょう。

具体的な売買のタイミングと株価、そうする根拠を紙やエクセルでもよいですから、メモします。

ここに投資金額や手数料などを入れておくと、より具体的な練習になります。

ここまで終わったら、ようやく次のローソク足を表示します。

みなさん考えましたか?

いきますよー。

実践練習 手順6 判断を振り返る

さて、次のローソク足では株価はどうなったでしょうか。

答えはこちら。

どうだってしょうか。予想と同じローソク足になりましたか?

ポジションはどうなってますか?
買いポジションの人、売りポジションの人それぞれかと思います。

予想が大きく外れてしまった人は、何がそうさせたのかを振り返る必要があります。
何に期待してそう考えてしまったのか、原因をメモをしておきます。

そして今日のローソク足を分析してポジションはどうするのかを、また前のローソク足同様に考えます。

形は上ヒゲが付いた陰線です。
大事なのは短期MAを越えようとしたけどダメで、おまけに終値が中期MAも割り込んでいることです。マーケットに参加している人の失望が見えます。

では、ローソク足を次に進めてみましょう。

どーんと大きく下げました。
振り返ると、なんとか中期MAに乗ってましたが辛抱たまらず落ちてしまった感じです。

空売りしている人は大きく利益が出る場面です。
買っている人は損切りする場面になってしまいました。とはいっても13,200円がレンジの下限となっているので株価は戻るかもしれません。反発すれば損切らずに済む悩ましいところです。

それではまた次のローソク足を表示してみましょう。

昨日の大陰線のあと、もう1日下落していよいよ13,200円に近づいてきました。
ボリンジャーバンドは-2σにタッチして下限の位置です。

空売りしている人はどうしましょう。
買いポジションの人はどうしますか?

さて反発するのか、レンジを抜けてさらなる下落になってしまうのか。

ここで反発しました。レンジだとすると買いの場面ですね。
短期MAは下を向いてます。

BBの-2σで切り返し、RSIも30を下回ったあと切り返して、お買い得な感じです。

次のローソク足にいってみましょう。

大きく下落して13,200円を割り込んで大引けを迎えました。

ここ2日あたりで買いを仕込んでいた人の中には「えっ!?」と思った人もいたかもしれません。

予想外だった場合は、もう一回チャートを戻してよく考えます。
何を見落としたのかを発見しましょう。

ボリンジャーバンドがなければ勘違いすることもなかったかもしれない、と思う人もいるかもしれませんが、そうではありません。
テクニカル指標は確率を表しているだけで、線にタッチしたからといって必ずリアクションが起こるものではないのです。偉そうに言っている私もよく勘違いして痛い目にあっています。

そして、テクニカルの解釈はいつでも2通りあるのです。

例えばRSIが下がってきて株価が安値圏だよとシグナルが出ます。
「安値圏だから買う」という見方があれば、「こんなに安いのには理由があるはずだから買えない」とみることもできます。

例えばボリンジャーバンドはレンジ相場だと、±2σの中を株価が上下に行ったり来たりしますが、トレンドが出るとバンドウォークといってずっと偏った動きを見せます。

テクニカル指標は株価水準を分かりやすく表示してくれるので判断のサポートとして使えますが、それ自体で売買の判断するものではないというのが私の考えです。

今回の場合は、短期MAに押されるように下落しています。
ただ下ヒゲが長く付いていますので、ここで空売りを仕掛けるのは怖い感じです。

次の日は過去3日分の調整を帳消しにするほど大きく反発しました。

と、こんな感じで練習していくわけです。

最初は株価に振り回され難しく感じると思いますが、300回400回と練習すると、「ここの場面はどうなるか分かる」という得意な場面が出てきます。

そして3000回4000回と練習すると、先読みが感覚で分かる感じが出てきます。

時間が無い方は大変だと思いますが、諦めずに練習してみてはいかがでしょうか。

ちなみに今回の先がどうなったかもう少し先のチャートを載せておきますね。

大きく反発した株価ですが、その後は元の株価水準に戻ることがなく、もう1段下落していきました。もっと先では株価は14,000円代を回復しています。

練習のポイントまとめ

私が練習の時に気をつけている点をまとめてみます。

ローソク足が基本

何度も言いますが大事なのはローソク足の形と位置です。
ローソク足たかが1本と思いがちですが、ストーリーが詰まっています。

日足でいうと、9時から午後3時までみんなが考え抜いて動いた軌跡がローソク足です。

一寸先は闇

たくさん練習して次のローソク足が当たる確率が70%とすると、2手先を読める確率はどうなるでしょうか。

私の経験では20%とかになるかなと思います。3手先は5%?

つまり1手先を読むのが精一杯で、照らせる範囲は電池が切れかけたライトみたいなものです。

損切りをしないといけない理由はここにあります。
照らせる範囲は投資、その先はギャンブルです。

マクロとミクロの視点を忘れない

ローソク足に注意をしていると大きな動きが見えなくなってしまうことがあります。
予想するときは、マクロの大きな流れ(トレンド)から考えて、だんだん小さなミクロの視点にしていくようにしています。

マクロの視点を無視して売買すると、不意に大きな動きにやられることがあったりするので気をつけたいところです。

練習は定期的にしたほうが良い?

私だけかもしれませんが、半月とかマーケットから離れて久しぶりに売買するとやられることが多い気がします。

なんか感覚が鈍っている感じです。

この中途半端に知っている感じで売買するとマーケットと逆の動きをしてしまい、とんでもなく損をすることがあります。往復ビンタを喰らうというやつです。

久しぶりのエントリーは慎重にしようと思います。

以上、私なりの練習方法をご紹介してきました。

参考になるかなぁ。

とにかく練習した方がよいことは間違いないですので、みなさんも何かしらやってみてはいかがでしょうか。